デザインを通じて人を幸せに。事業成長のパートナーとなるため、今、僕らにできることがある。
子どもの頃から好奇心旺盛で、好きなものや気になるものがあると夢中になってのめり込んだという、MOSHのブランディングを担当するデザイナーの来休さん。
サイバーエージェント、ソニーミュージックコミュニケーションズでデザインの基礎から応用まで学び、独立後は「東東京京」として活動をスタート。さまざまな実務経験を積む中で、
「デザインはあくまで手段。目的は人を幸せにすること」
このような想いを強く抱くようになったと言います。そんな来休さんはその後の2021年、フリーランスから一転、MOSHに社員としてジョインすることになりました。
今回は、そこに至るまでにどんな経緯があったのか、来休さんのデザイナーとしての思い、『MOSH』をどんなサービスにしていきたいかという今後のビジョンまでお聞きしました。ぜひ、最後までお楽しみください!
僕の未来は「これだ!」高校生の時に見えた、デザイナーという自分の未来。
―まずは、来休さんの子どもの頃のお話を聞かせてください。
生まれは、富士山の麓にある鳴沢村です。僕の実家は村の中でも外れの方にあって、鳴沢氷穴という洞窟を代々管理してきた家でした。
とはいえ、父も最終的に継ぐまでは漫画家志望だったり、ゴルフショップをやったり、飲食店をやったり、いろいろな事業に挑戦していて。そんな父を見ていたからか、好きなものがあるととことん熱中して突き詰める子どもだったように思います。
―そんなアグレッシブなお父さんの姿を見て、子どもの頃はどんな大人になりたいと思っていましたか?
高校生の時にテレビ番組の『プロフェッショナル』でWebデザイナーの中村勇吾さんを見て「これだ!」と思いました。それまでは何かに憧れるという経験があまりなかったのですが、デザイナーという職業を知り、初めて「こうなってみたい」と思うようになりました。
―ここから、Webデザイナーへの道のりを歩んでいくことになるんでしょうか?
実はそうではなくて、高校卒業後は美大や専門学校ではなく、一般の大学(中央大学経済学部)へ進学しました。大学に通いながらでもWebデザインの勉強はできるだろうと思ったんです。でもそれは、とても甘い考えでした。大学生って、学ぶも遊ぶもすべて自分次第なので、そうとう強固な意思がないと独学は難しかったです。当時はまだまだ子供だったので、意思も弱く、2年間くらいはほとんど夢に向かって行動できていませんでした。
仕事以外の時間も、デザインのことばかり。デザイン漬けの毎日。
―大学卒業後は、どのような道へと進みましたか?
就活中にクリエイティブアカデミーという、サイバーエージェントの新卒選考プログラムに参加しました。クリエイティブアカデミーの参加者は、2ヶ月間ほどかけてWebの技術を学び、作品をつくり、最後にみんなの前でプレゼンします。そのプレゼンが、入社試験の代わりになる、という採用過程でした。
その時に出会ったのが、MOSH創業メンバーの村山です。
―新卒時代の仲間と、時を経てまた一緒に仕事をしている。これって、なかなかないですよね。サイバーエージェントでは、どのような経験を積んだのでしょうか?
主に、ソーシャルゲームのデザインを担当していました。イベントのロゴやクリエイティブ、オープニングのアニメーション制作などを創っていましたね。
学びとして特に大きかったのは、先人デザイナーさんたちの制作過程を見られたことです。普通に生活していたら、アウトプットしか見られないじゃないですか。でも、本当に知りたいのはプロセスの部分。新人の頃は、先輩たちが創ったデータを見ながら、ひたすら技術を盗ませていただきました。
―サイバーエージェントに3年間在籍した後は、どのような道へ進んだのでしょうか?
デザイナーとして何か突出した武器が欲しいと思い、「朗文堂」という新宿にあるタイポグラフィの私塾に通い始めました。文字って、Web、映像、グラフィック、どんな媒体にも絶対に登場しますよね。なので、文字を扱う力を鍛えることは、絶対に無駄にはならないと思ったんです。
そうして本気でタイポグラフィに向き合った結果、気づくんです。タイポグラフィを極めるためには、Webではなく紙の業界に行かないといけないなと。タイポグラフィって、Webの場合、制約が多すぎて妥協しないといけないんです。デバイスによってレイアウトも変わるし、文章も頻繁に更新するし、全ての文字をコントロールすることは不可能なんです。その一方で、紙の世界は全く逆です。すべての文字をコントロールしなければならない。文字を扱う上では、最高の環境だと思いました。この時が、僕のデザイナー人生における最初のターニングポイントですね。
Web、紙媒体、フリーランスを経験し気付いた、ブランディングの重要さ。
―タイポグラフィを学んで、新たな武器を手に入れた来休さん。その後は、デザイナーとしてどんな道のりを歩んでいったのでしょうか?
グラフィックデザインといっても様々な選択肢はあったのですが、特にCDジャケットのアートワークに興味があったので、音楽系のデザインの道へ進みました。縁あって、ソニー・ミュージックコミュニケーションズ(現:ソニー・ミュージックソリューションズ)に転職することができました。
そこでは、CDジャケットやアーティストグッズのデザインを担当させていただきました。グラフィックデザインをする上で必要なスキルは、すべてこの会社で学びました。
―そして、独立してフリーランスへの道を歩み始めるわけですね。
そうですね。実は入社する前から「3年間働いたら、独立しよう」と決めていました。デザイナーとして独立するということは、僕にとって一つのゴールだったんです。
フリーランスになってからは、ありがたいことに前職の繋がりでお仕事をいただけていたので、それなりに忙しく過ごすことができました。今でも人との繋がりには感謝しています。
―すばらしいです!人と人との繋がりで仕事をされてきたということですが、そのために特に注力してこと、大切にしてきたことなどありましたら、教えてください。
まず力を入れたのは、セルフブランディングです。世の中にはたくさんのデザイナーさんがいます。その中で自分が選ばれるためには「人とは違うポジションをとる」必要があるんですね。自分が得意で、ライバルが真似できなくて、かつ市場のニーズを満たせる「強み」はなんだろう?という分析をひたすら繰り返し、自分の見せ方を整理してきました。
デザインと、その活かし方。どちらも提供することで、クリエイターさんと共に成長していきたい。
ーここからは、MOSHについて聞かせてください。フリーランス時代に一取引先として関わり始めたと聞いています。
サイバーエージェント時代から仲良くしていた村山のツテで、MOSHのクリエイティブ制作を少しずつ請け負うようになっていきました。最初は細かいタスクが多かったですが、あるタイミングで「MOSHのロゴをリニューアルしたい」というお話をいただけて。 それを契機に、がっつりMOSHと関わりまして、2021年の4月にはブランドマネージャーとして入社が決まりました。
―それまでもMOSHとは付き合いがあったわけですが、なぜこのタイミングでMOSHに社員として正式に入社しようと思ったのですか?
理由はとってもシンプルです。 自分がデザイナーとして突き詰めたいことが、MOSHでなら出来そうだと思えたから。具体的にいうと「個人のブランディング支援」ですね。
MOSHのミッションは「情熱がめぐる経済をつくる」なので、 好きなことを仕事にして、生きていける人たちをドンドン増やしていかなければいけません。そのためには「ブランディング」がとても重要なんですね。
MOSHに身を置けば、個人クリエイターさん達のブランディングにとことん向き合えるし、僕のブランディングのスキルも磨くことができる。 そう思えたので、なんの迷いもなくMOSHへの入社を決めました。
―MOSHでは、具体的にどんなことをしたいと思い、入社したのでしょうか?
「これから自分のサービスを立ち上げたい」と考えている方々のブランディングを支援したいです。素晴らしい商品でも、その価値が正しくお客さんに伝わっていなければ、誰も買ってくれません。つまり「価値を正しく伝える作業」ってめちゃくちゃ重要なんですね。僕はデザインの力をそこに注ぎ込みたいと思っています。
『MOSH』を、事業成長のためのパートナーのような存在にしていきたい。
―現在、MOSHではどのような役割で、どんな業務を担当されているのかを教えてください。
ブランド・マネージャーとして『MOSH』のブランディング戦略を担当しています。僕の役割は、ミッションを達成するためには「どういう認知をとるべきか?」「どういう価値を提供すべきか?」「誰に届けるべきか?」「どういうコミュニケーションをとるべきか?」など、コアの整備と、MOSHが発するアウトプットの印象を揃えるためのアートディレクションです。
―MOSHの好きなところ、他にはない魅力はどんなところにあると思いますか?
MOSHの魅力は「クリエイターさんとの距離の近さ」ですね。MOSHが本気で向き合っている分、クリエイターさんもMOSHに本気で向き合ってくれていて。ビジネスライクなコミュニケーションではなく、より深いコミュニケーションが取れるんですね。 距離が近い分、クリエイターさんから得られる学びがものすごく多いので、それはMOSHならではの魅力だと思います。
―ブランディングを担う立場として、今後『MOSH』をどんなサービスにしていきたいかを教えてください。
『MOSH』は今のところ、個人が簡単にサービスを販売できる「予約システム」として認知されています。
でも、僕は『MOSH』を「事業をグロースさせるための、ブランドパートナー」として認知させたいと思っています。今は「予約サイトを作りたいから『MOSH』を使おう」というクリエイターさんが多いですが、これを「自分のブランディング強化のために『MOSH』を使おう」という境地まで持っていきたいです。
―そのために必要なこと、今後力を注いでいきたいことを教えてください。
チーム作りに力を入れていきたいです。具体的に言うと、目指すのは週刊少年ジャンプの編集部のような組織です(笑)。『ジャンプ』にはたくさんのヒット作がありますが、その漫画家さんたちの側には伴走してきた編集者がいた、と思うんですよね。
素晴らしい才能を持っていても、その価値が正しく伝わらずに埋もれてしまう人はたくさんいます。 編集者は、その才能が埋もれないように、出来る限りの試行錯誤を繰り返し二人三脚で漫画家と伴走する、そんなイメージがあります。
MOSHは、個人クリエイターにとっての「ブランド編集者」となって、二人三脚で成功するための試行錯誤をしつづける。そんな週刊少年ジャンプのようなチームを創っていきたいと思っています。