こんにちは。ネットでサービスが売れる”MOSH”代表の籔です。
MOSHでは昨年、組織の拡大に合わせて企業バリューのアップデートを行いました。
こちらが、刷新した企業バリューです!
今回は、アップデートしたバリューについて、その背景や込められた想いについて綴りました。
本記事を通じて、MOSHの存在意義や社内の文化などを感じ取ってもらえると嬉しいです。ぜひ、最後までご覧ください!
「ミッションを達成するために必要な文化を言語化しよう」そんな想いから、バリューをリニューアル
そもそも会社としてのバリューを初めて策定したのは、創業して2年が経った2019年8月でした。
「MOSHの創業メンバーが持っている良いカルチャーの言語化」
という作業によって、バリューを決めていったことをよく覚えています。そんな当時のバリューがこちらです。
今改めて見ても、”僕ららしさ”が出ている、温かいバリューだったなって思います。
そんなバリューを見直すきっかけになったのは、2020年の夏頃に、弊社株主主催で開催されたメルカリの小泉さんのワークショップでした。
「企業バリューというものは、ミッションを達成するための文化や指針でなければならない」
この言葉が当時とても衝撃的だったことを覚えています。
思い返してみると、当時の僕らは、ミッションとバリューを紐付けて考えたことがありませんでした。
当時掲げていたバリューは、「単にMOSHの”今ある良さ”の言語化」に過ぎず、今後の組織の成長を導くものにはなり得ないということに気付かされました。
現在、世の中の多くの企業がMVVを掲げ、組織運営や事業活動に取り組むことが主流になってきています。
しかしながら、ミッションやビジョンから、バリューに落とし込み、そのバリューを軸に強固な組織カルチャーをつくるところまで徹底出来ている企業は、多くないのでは?と感じています。
当時のMOSHの場合、運用以前にバリューそのものが、ミッションに沿った設計になっていなかったことが問題でした。
そこでリニューアルするバリューは、今あるMOSHのカルチャーの言語化ではなく、
「ミッションを達成するためのもの指針・思想として、落とし込んでいく」
そういう想いで、リニューアルを進めていきました。
4ヶ月かけ、メンバー全員で形作っていったバリュー
リニューアル自体は、当時のメンバー全員で進めていきました。
まず最初にやったことは、「僕たちがミッションを達成するために、大事にしたい文化ってなんだっけ?」という問いに対して、1人ひとりがイメージするキーワードをひたすら挙げていく、というプロセスです。
その後はオンラインをベースに、時にはオフィスに集まりながら、4ヶ月かけて、話し合いを重ねました。
毎時間少しずつ意見を磨いていきながら、徐々に形作っていったのですが、その時に良かったことが、素案を出してもらった時点で、メンバーの考えている方向性がほとんど同じだったことです。
ミッションを達成するために必要なことが、一定共通認識を持てていたのだと思います。
突然ですが、僕は見慣れている言葉や、誰かの手垢がついたような言葉があまり好きではありません。
そのため、バリューの方向性が決まった後も、それをどういうワードで表現していくかという部分にはとてもこだわりました。
ワーディングについては、「頭に残りやすい斬新さ」と「口にしやすさ」を重視して、内容そのものと同等、もしくはそれ以上に時間をかけて議論したと思います。
実際に運用していく時に、メンバーが自然と覚えることができて、なおかつ「MOSHのバリューって、ユニークでかっこいいよね!」と思ってくれる。そんな言葉選びを心がけました。
企業バリューは、会社の文化としてしっかりと根付いていかなければ意味がありません。
社内において、真の文化として、そして行動軸として、運用していくことを策定議論の段階からイメージしていました。
運用面の話を少し。
まず取り組んだことは、各バリューの略称を決めたことです。
例えば、覚えやすさという観点において、「Start with One」は決して複雑さはないけれど、「口にしやすさ」でいうと、毎回ミーティングの度に口にするのって結構大変だよね、と。
そこで、「Start with Oneは、『スタワン』で定着させよう」というように決めていきました。
それと同じように、「Back To the Future」は「BTF」。「Super Effective!」は「スーパーE」。「Best Combo」は「ベスコン」というように、略称で呼ぶようにしています。
結果、自然と発言されやすくなり、社内の日常的な会話の中でもバリューが飛び交うようになりました。 それから、バリューを目にする機会を増やすようグッズの製作にも着手しました。
リモートワークが多くなっている今、リモートの日常で触れるようなものでないと文化形成は難しいと思っていたためです。
Slackスタンプの他、オンラインミーティングで使える背景画像やTシャツも、それぞれの4種のバリューそれぞれで作りました。
さらに最近では、「BTF会議」のように、それぞれのバリューに沿った目的を据え置いた会議も行われるようになりました。そして、それぞれのバリューに合わせた議事録のフォーマットなども用意されています。
そのような取り組みもあり、日頃さまざまな形でバリューを目にする頻度は日に日に増しています。以下はSlackでの使われ方の一部です。
さて、リニューアルしたバリューは2021年9月から運用をはじめているので、運用開始後4ヶ月ほど経ったところです。
日頃聞こえてくる頻度や、使われ方をみていると運用の初動としては良い感じに軌道に乗ってきているなと思います。
とはいえ、今の時点では、仕事の中にナチュラルにバリューが組み込まれているわけではないです。
もちろん、メンバーの意識の中には常にあると思うけれど、このバリューが毎日の仕事をする上での前提になるくらいに定着できているかと聞かれると、まだまだです。
なにより、僕ら自身が、全員で決めたバリューを心の底から信じきらなくてはいけないと思っています。
そのための、さまざまな制度への組み込みなど運用面の強化は今後の課題であり、しっかり着手していきます。
MOSHのバリューを一挙紹介!
ここからはリニューアルしたMOSHのバリューを紹介していきます。
「スタワン」以外の3つに関しては、また追って詳細に紹介するための記事を出そうと思っているので、ここでは軽く触れておく程度にします。
Back To the Future 🚙
略称:BTF
「BTF」は、目の前の仕事に追われる中でも、しっかりと目指すべき未来に思いをめぐらせ、逆算された一歩一歩を積み重ねていこう、ということを表現しています。
1人のクリエイターさんにのめり込もうとすれば、僕たちはどこまでものめり込めてしまう。
しかし、マーケット全体を考えた時に「この一手は、本当に優先してやるべきことなのか?」ということを見極めていかなければいけません。
そこの読みを間違えてしまうと、事業の成長が遅れて、結果的にクリエイターさんのためにならなくなってしまうからです。
だからこそ、しっかりと本質を見極め、「今取り組んでいることが、本当にMOSHの未来に繋がっていくことなのか?」を考えていこう。そんな想いがBTFには込められています。
Super Effective! 💊
略称:スーパーE
「スーパーE」は、最短でゴールへ向かうための指針です。
社内外問わず周囲の人に対して良い意味で図々しくプッシュしていったり、時には立ち止まって目線を合わせたりして、その都度で最も効果的なコミュニケーションをとっていこう、ということを表現しています。
1人で完結する仕事はほとんどありません。社内のメンバーやクリエイターさんと、何かをやっていこうと決断した時、そこには相手を動かす言葉が必ず必要です。
やろうと考えていることが、どんなに素晴らしいことでも、人に伝える言葉がなければ相手を動かすことはできませんし、だからこそ伝え手側の想像力と努力は欠かせません。
特にリモートワークが当たり前になってきている昨今においては、テキストがコミュニケーションの中心であり、今まで以上に「ゴールを最短で達成するための効果抜群なコミュニケーションをとっていく」という意識が大切になってくるはずです。
Best Combo 🤝
略称:ベスコン
「ベスコン」は、どんなに頑張っても一人の力では限界がある。だからこそ、メンバーそれぞれが持つ能力、思考、リソース、人脈などのパワーを掛け合わせていこう、ということを表現しています。
仕事のスタイルとして「私の仕事はここまで」とある種縦割り的に専門性を持って取り組むことも、プロとして大事なことだと思います。
でも、MOSHのようなスタートアップでは、1人ひとりの役割や業務範囲をオーバーラップして、カバーし合わないといけません。
1人ひとりの強みを活かしながら、社内のメンバーや時には社外リソースやクリエイターさん達と手を取り合いながら、推進していくことで、組織としてのパワーをより高めていくことができます。
そのためには、まずはお互いの強みを把握すること、そして固定概念にとらわれずあらゆる組み合わせの可能性を想像することが重要です。
さまざまな場面おいて、「強みの掛け算」を日常的に思考してほしいと思っています。
「Start with One(スタワン)」
最後に、「スタワン」についてお話しさせてください。MOSHのプロダクトの原点です。
1人(ひとつ)のインサイトを何よりも大切にし、そこを起点とした着想によって未来に必要なものをつくろう、ということを表現しています。
MOSHというプロダクト自体も、この「スタワン」から始まっているし、プロダクトを成長させていくためには常に「スタワン」を意識しないといけないなと思っているくらい、僕らにとって重要な指針です。
実際、会社が少しずつ大きくなってきている今も、1人ひとりのクリエイターさんの手触り感を大切にするため、僕自身もこの考え方をどんな時も意識して行動するようにしています。
「この事業者さんを応援したい!一緒に事業を成長させていきたい」というように、ある意味仕事という枠を超えて、1人ひとりのクリエイターさんに寄り添っていくべきだと考えています。
少し原体験を話します。
コロナ禍の今、MOSHを活用する多くのクリエイターさんがMOSHでオンラインでのサービス販売を行っています。その原点はヨガサービスを展開されている1人のクリエイターさんの言葉でした。 「教室で10人くらいの人に教えているだけでは限界がある。もっとヨガを広めていくためには、どうすればいいのかな?」
ある日こんな相談を受けました。
当時、オンラインでのサービス展開は今ほど市民権を得ていませんでしたが、僕はオンラインで教室をやれば、もっと広がっていくんじゃないかなと思っていたため、コロナが流行する1年くらい前から、そのクリエイターさんと一緒にオンライン教室の開催にトライしていきました。
自信を持って開始をしたのですが、当初は消費者の方がなかなかついて来てくれなくて「オンライン教室は、やっぱりうまくいかないのかな…」という感じになってしまったんです。 でも、この取り組みが全て無駄だったかというとそうではなくて、さまざまな試行錯誤の末に得た、”オンラインでレッスンを開催するにあたってのインサイト” は着実にプロダクトに反映されていきました。
そして、オンラインでのサービス提供が消費者にとって違和感にないものになってきた昨今、当時の試行錯誤によって、一足先にオンライン対応が進んでいたプロダクトは、クリエイターさんに対して、一定の価値を届けられるものになっていると思います。
もちろん、先に書いたヨガのクリエイターさんにも...。
クリエイターさんの生き様を見ていると、そこから未来が見えてくる。むしろ、そこにしか答えはないと思っています。
数字を割り出して細かく意思決定していくことも大切だけど、「スタワン」という行動によってしか得られないものが必ずあると思っていて、そこをしっかりと積み上げて未来をつくっていかないとな、と強く感じています。
そもそも僕は、30人くらいの学校のクラスがあるとしたら、「その中で熱量の表現機会を求めている5人くらいの人がMOSHを使ってくれたらそれでいい」と考えているんです。
僕が学生だった頃、学校の成績が良くないからとか、控えめに特段目立たないからなどといった理由で、埋もれていった才能を数多く目の当たりにしていました。
せっかくすごい才能や誰にも負けない情熱を持っているのに、です。
これって、僕の周りだけではなくて、よく起こり得ることなのだと思うのですが、僕はそういう人たちがMOSHを使うことで、自分の「好き」により熱中できる世界をつくっていきたいと考えています。
そしてメンバーには、MOSHという組織の1人という視点ではなくて、「一緒に事業をやっていく」くらいの気持ちで、ある意味リスクをとってでも、共にサービスを売っていこうと思える人を見つけてほしいと思っています。
それは、MOSHを既に活用しているクリエイターさんでも良いし、自分の家族や友だちでも良い。
1人のクリエイターさんの手触り感や生き様を日頃から感じ取れる環境に身をおいてもらいたいです。
そうすることで、これまで気付かなかったインサイトが見えてきたり、プロダクトの課題点や必要なことが見えてきたり、解像度高くやるべきことが見えてくるはずです。
数字も必要だけど、行動や人の情熱からしか生まれないものがあります。
僕らのミッションは「情熱がめぐる経済をつくる」です。
そのために、「ひとりの生き様から始めよう」という文化をベースとした4つの企業バリューを、僕自身が率先して大切にし続けて、メンバーやクリエイターさん、ひいては社会全体に広めていきたいと思っています。