ニックネーム / こう呼ばれています
かねやまさん、げんたさん、かねぃさん
入社日
2021年6月1日
クックパッドで検索に向き合い11年。そんな僕が、日々スターが生まれ続けるMOSHでできること。
MOSHに参画するまでは、レシピ検索サイト『クックパッド』を運営するクックパッド株式会社に在籍し、レシピ検索に関わる開発運用を長年担当してきた兼山さん。近年は、特定技術領域のスペシャリストとして経営にも参画してきました。
そんな兼山さんの経歴や働くことへの考え方、さらには人生観まで迫り、それがどのようにMOSH参画へつながったのかを、根掘り葉掘りお聞きしました!
「エンジニアとして、人の役に立つものを作りたい」
兼山さんがそんな想いを抱くようになったのは、中学生の時に経験した初めての成功体験がきっかけだったそうです。はたして、少年時代の彼に起こった出来事とは…?
兼山さんの生き様を、最後までお見逃しなく!
インターネットが好き。プログラミングが好き。検索エンジンを通して重ねてきた、エンジニアとしてのキャリア。
―MOSHに参画するまでの経歴を教えてください。
仕事を始める前は、浜松にある静岡大学の情報学部に在籍し、インターネットやプログラミングが好きな学生たちが集まる、コアな研究室に所属していました。そこにいる学生は「将来は、東京でインターネット関係の会社に入るぞ」と考えている人が多く、僕もその一人でした。
卒業後は、楽天株式会社にソフトウェアエンジニアとして入社します。『楽天市場』の部署に配属され、主に商品ページの開発運用を1年ほど担当していました。
―新卒で入社した楽天を1年ほどで退社し、クックパッドへ転職したそうですね。きっかけは何でしたか?
学生時代に話は遡りますが、日本語でツイートを検索できるTwitterの検索サイトを開発したことがあります。便利だからたくさんの人に使ってもらえればと思い、一時期Webサイトとして公開していたことがあり、その後も運用を続けていました。
そのTwitterの検索サイトを、クックパッドの現CTOの成田さんと牧本さんが見てくれたことがきっかけです。成田さんとは、インターネットサービスに携わる人たちが集まるブログサービスで知り合いました。
当時、『楽天市場』の検索の部署に異動したいと考えていたんですが、同期は300人いるし、なかなか思うようにいかず…。新入社員は楽天カードを30枚契約しなければならない、というノルマがあって、僕はあまり友人が多くなかったので、そのうちの1枚を成田さんに頼んだこともありました(笑)。そんなこともあり、何となくくすぶっているというか、余裕のなさが伝わっていたんでしょうね。
ある日、「検索エンジン系が好きそうだし、今度はクックパッドでレシピ検索をやってみない?」と、成田さんが誘ってくれたんです。それで、新卒で入社した楽天を退職して、クックパッドに入社しました。
―2010年の9月に転職し、11年ほど在籍したクックパッド。入社当時は、どのような業務を担当していましたか?
僕が入社した当時、クックパッドは既に上場していましたが、プレミアム会員の数は今の10分の1程度、20万人くらいでした。レシピの人気順検索を使いたいと思うユーザーが増えれば、プレミアム会員も増える。そのための機能の充実を目指すチームに所属し、絞り込み検索の企画を立てて実際に開発したり、ソフトウェアの入れ替えを行ったり、パフォーマンスを改善したり、ユーザーインタビューをして改善に役立てたり…。そのような仕事を5年ほど行っていました。
―その後、VP of Searchという特定技術領域のスペシャリストになるわけですね。具体的には、どんな業務を行っていましたか?
2015年、2016年あたりに社内の経営方針が、がらりと変わっていきました。その流れに準じて、サービスの方向性に対して見直すべき時が来たんです。
そこで、創業者である佐野さんからの「クックパッドを世界一のレシピ検索にしてください」という依頼に応えるために技術的にどんなことができるのか、どんなことをしていくべきなのかを、検索の部署の立場から経営層にインプットしていく。そんな役割を任せられることになったんです。コードを書きつつ、経営層と一緒に今後の『クックパッド』の在り方を考える、という役割を担っていました。今考えれば、その役割を全うできていたのかはわからないですが…。
中学生の夏休みに作った、HTMLエディタ。「人の役に立てる」その喜びを知った、初めての成功体験。
―楽天、クックパッドと誰もが知るインターネットサービス企業を渡り歩いてきた兼山さん。そもそも、エンジニアになろうと思ったきっかけは何でしたか?
小学生の頃、家にワープロがあり、最初の頃はテレビゲームの進捗具合や感想をワープロに打ち込む、ということをしていました。タイピングの速度を点数付けするソフトがあって、毎日それに夢中になっていたんです。当時は単純に、タイピングすることが楽しかったんですよね。
そのうち、パソコンでゲームをするようになっていって、本屋さんでプログラミングの書籍を手に取って、自分でああでもない、こうでもない、とやってみたんです。誰かに勧められたわけではなく、自然とプログラミングにはまっていった子ども時代でした。
―そして、エンジニアを目指す原点となるきっかけが起こるわけですね。
はい。プログラミングに熱中していた、中学生の夏休みのことです。自由研究として、HTMLエディタを自分で作って、Web上に公開したことがありました。
当時、ホームページを作ることが流行っていて、エディタがあった方が便利だよな、という流れで、友だちに使ってもらえればいいな…くらいの軽い気持ちで、公開したんです。
結果的に20万回ほどダウンロードされて、使ってくれたたくさんの人から感想や意見をもらうことができました。当時作成者が中学生であることは特に表示していなかったんですが、知らない街の知らない中学校の先生も「便利だった」と感想を送ってくれたんです。
学校の先生のような立場の人の役に立てるようなもの作ることができた、喜び。自分がただ好きでやったことが感謝につながった、喜び。それは今まで味わったことのない、初めての感動体験でした。
―その時の体験が、兼山さんをエンジニアへの道へ進ませたわけですね。当時、周りの人の反応はいかがでしたか?
今でもその時の衝撃的な出来事は、鮮明に記憶に残っていて、当時の担任の先生のこともよく覚えています。
夏休みの自由研究は、教室の後ろのロッカーの上に飾るんですが、みんなが自分なりの研究成果や制作したものを展示している中、僕はフロッピーディスク1枚置いて。担任の先生からすれば、「兼山くんは、何を作ったんだろう…?」という感じだったと思うんですよね。Web上では20万回もダウンロードされていたけれど、実際に僕の周りのひとの中に、なかなか理解してくれる人はいなかった。そんな中、担任の先生はわからないながらも「なになに?」と話を聞いてくれて、「すごいね」と褒めてくれて、僕の背中を押してくれたんです。
エディタが20万回ダウンロードされて、知らない人の役に立ったという成功体験ももちろんですが、あの時、僕の背中を押してくれ、応援し続ける人がいたから、エンジニアの道へ突き進むことができたような気がします。
一人ひとりの情熱や「好き」が育まれ、スターが生まれる。MOSHに参画し、その瞬間に立ち会いたいと思った。
―中学生の時の成功体験を経てエンジニアとなり、多くの経験をし、スキルを身につけていった兼山さん。2020年11月、MOSHへ参画しようと思った経緯を教えてください。
MOSHの「情熱がめぐる経済をつくる。」というミッションを目にする機会があり、ビビッときたことがきっかけでした。
情熱や「好き」を仕事にできている人はまだまだ少ないし、情熱の原点となるきっかけや、そっと心に灯った小さな「好き」を育んでいくことは、本当に大変なことです。
それを支援し続けていくサービスである『MOSH』は、素敵なサービスだなと思ったし、一人ひとりの情熱からユニークなサービスが生まれる、その瞬間に立ち会ってみたい。そんな思いから、クックパッドの育休期間中にMOSHへ参画することになりました。
―一人ひとりの「好き」や情熱がサービスを支えているという点で、『クックパッド』と『MOSH』には共通点があるのかもしれませんね。
そうですね。どちらのサービスも、ユーザーの情熱や「好き」という想いが、サービスを支えてくれていると思います。
『クックパッド』を支えているユーザーは、「料理が好き」という思いでサービスを利用してくれていて、他のユーザーが自分のレシピで料理を作ってくれ、喜んでくれることを一番の喜びに感じています。しかし、その「好き」が金銭的な報酬に繋がることはまれで、レシピ本を出版したり、メディアへの出演をしたり、という人は極々一部しかいません。
それに対し『MOSH』は、ユーザーの心に灯った小さな火や「好き」を世の中に広めていくためのサポート体制が整っているため、一人ひとりの「好き」や情熱が金銭的な報酬に繋がりやすい。これは本当にすばらしいサービスだな、と思いますね。
―半年間の副業期間を経て、MOSHの社員になった兼山さん。改めて、MOSHというチームに社員として加わっていきたいと思った理由を教えてください。
この半年間エンジニアとして参画し、APIの開発をしたり、『MOSH』にどんなサービスがあるのかを自ら体験したり、今後どのようなサービスやツールが求められているのかをリサーチしたり。自分なりに、MOSHを知る濃い半年間を過ごすことができたと思っています。
日々、たくさんのスターやユニークなサービスが『MOSH』を通じて誕生しています。その瞬間に何度も立ち会い、奇跡的な瞬間を目の当たりにし、これからもその瞬間に立ち会っていけたら。そう思い、社員となることを決めました。
これまでのキャリアや経験が全て生かすことができるとは思っていませんが、新しく自分の得意なことやスキルを身につけることができたらいいな。そんな風に思っています。
―MOSHで働くチームのメンバーについては、どう感じていますか?
MOSHで長く仕事をしていきたい。そう思った最大の決め手は、やはりMOSHで働く人たちが素敵な人たちばかりだったからでした。
どのメンバーも、情熱や「好き」を持って夢へ挑戦しようとしている人を全力で応援し、背中を押してあげたい、と本気で思っています。少人数のメンバーでたくさんのユーザーと向き合い、サポートしていて、そのエネルギーは凄まじいです。それなのに、みんなピリピリしているわけでなく、優しくて、居心地がいい。尊敬できる人たちがたくさんいます。
中学時代、僕にも背中を押してくれる存在があったから、「好き」を追い求め続けていくことができた。あの時の先生のように、チームのメンバーと一緒にユーザーのサポートをし続けていけたらと思っています。
―代表の籔さんとは、籔さんがMOSHを立ち上げる前からの知り合いだったそうですね。籔さんについては、どう思っていますか?
籔さんと出会ったのは、籔さんがRettyに在籍していた頃のことですね。
同じ飲食系サービスの会社ということで、Rettyの状況を聞きながら、1ヶ月間ほどアドバイスをさせていただく機会がありました。それから都度、お互いに情報共有し合っていたことが始まりです。
チームの他のメンバーもそうですが、とにかく籔さんはエネルギーがすごい。口だけでなく、自分から動くし、知らない領域や世の中のムーブメントへの適応能力もすばらしい。口で言うのは難しいですが…何とも言えない魅力を持っていて、自然と周りに人が集まってくる人なんですよね。
MOSHには、籔さんのふところの大きさや独特なキャラクターに惹かれて入社した人が多いんじゃないかな、と思います。
自分自身がワクワクすることを、一生をかけて続けていきたい。それが、人の役に立つものを生み出す力になると信じて。
―事業、働く人、その両面で魅力を感じ、MOSHに入社したということですね。
そうですね。それからもう一つ挙げるなら、「自分がワクワクすることをやり続けていきたい」という僕の人生におけるモットーについて考えたからかもしれません。この先もずっとクックパッドにいれば、その分責任は重くなっていく。5年後に新しいことに挑戦したいと思っても、その一歩を踏み出せないかもしれない、とふと思ったんです。
クックパッドでがむしゃらに仕事をしていた最初の何年間かは、やればやるほどわからないことが増え、どんどん課題が見つかって、次々と新しい発見があって。今思えば、あの頃の毎日は本当に楽しかった。
MOSHにいると、その頃の感覚と似ているな、と思うんです。この会社にいると、次々に新しい発見がある。ワクワクすることが、どんどん見つかる。今、ここで挑戦しなかったら、もうワクワクすることを見つけられないかもしれない、そう思いました。
―人生の分岐点となる、大きな決断だったということですね。兼山さんが仕事をする上で大切にしていること、心がけていることはありますか?
人の役に立つものを作ることはもちろん、作ったものを一番理解し、誰よりも知り尽くしている人は、サービスを使うユーザー自身だということ。それを忘れないようにしたい、と常日頃から思っています。
クックパッドに在籍していた時もそうですが、ユーザーは1000人いれば1000通りの使い方があって、1000通りの感想や考え方を持っています。僕の持っている知識や、社内で知ることができる情報は、それに比べればほんの一部に過ぎない。
そのことを意識して仕事をしないと、広がっていくことはできないと思うんです。なので、この信念はこれから先もずっと貫き通していきたいですね。
―兼山さんにとって、MOSHで働くことの魅力や面白さは何ですか?
ユーザーの中には、全収入の大部分を『MOSH』を通じて稼いでいる人がたくさんいます。誰かの仕事を、人生を、支えているということが、目に見えてはっきりとわかること。そこに、大きな魅力を感じています。
まだまだ誰もが知っているサービス、誰もが利用しているサービス、というわけではないですが、コロナ禍で『MOSH』のニーズは高まっていて、伸びしろはどんなサービスよりもあると思います。
エンジニアとしての目線で考えた時の話になりますが、コードの規模が小さく、構成要素がシンプルなところも、良いと思っています。歴史のあるサービスであればあるほど、いいプロダクトであればあるほど、コードが複雑になったり、書いたメンバーが退職していて、書き換えていいものなのかわからないコードがあったり…ということが起こりがち。
それに対して『MOSH』は、少人数のメンバーで作り上げてきたこともあり、どのコードも書いたメンバーは必ずいるし、僕がインパクトを与えることができる領域もとても広いです。この先、情勢の変化やニーズに合わせて都度、変化し続けていくことが容易にできる。エンジニアとしてのやりがいも、大きいと思います。
―最後に、今後のビジョンや目標を教えてください。
中学生の頃に経験した初めての成功体験を原点に、自分の好きなこと、情熱を注げることに没頭し続け、楽しんで仕事をしてきました。楽しんでやっていることが、人の役に立っている。それは本当に幸せなことだな、と改めて感じています。
そもそも仕事は1日の大半を費やすものなんだから、楽しくないといけないと思うし、楽しくやっているからこそ、最大限にパフォーマンスを発揮することができるはず。
MOSHのバリューにもあるように、どんなものも「一人の生き様から始まる」。これから先もエンジニアという生き様を通じて、ワクワクする人生を歩み続けていけたら、と思っています。