こんにちは。MOSH CTOの村井です。
MOSHでは現在一緒に旅をしてくれる仲間を積極的に募集しています。
コロナ禍という明日のわが身がどうなるかも定かではない情勢の中で、転職の意思決定をするのはとても勇気が必要であり、同時に事前の準備が求められることであろうと思います。
にもかかわらず、弊社ではこれまで社内、特にプロダクト周りの情報をあまり出せておらず、興味を持って下さった方の準備に必要な材料がご提供できていなかったのではないかと思います。
そこで、小出しにはなろうと思いますが、会社やメンバーのこと、働き方の事をアウトプットすることで、少しでも弊社の事を知っていただけたら、という想いでこのブログを書き綴っていきます。
今回は、MOSHに在るべきプロダクト像について、そして最後にMOSHなりのチーム作りの考え方について、お伝えできればと思います。
▼ 目次
1. MOSHのミッション
MOSHのミッションは「情熱がめぐる経済をつくる。」です。
ミッションを具体的な言葉として定めたのは、創業から1年くらい経過した頃だったと思います。
創業1年経ったので、ディスカッションしてミッションを言語化しよう、と合宿を行うことになったのですが、その際に代表の籔君が言いだしたミッションです。
籔君は事前に準備していたので、合宿開始10秒くらいで決まった気がします。何のための合宿なのか今思い返すとわかりません。
(ちなみに、MOSHはラッパーをリスペクトするカルチャーがあるため、韻を踏むと評価されます。そのため"めぐる"と"つくる"の韻がMOSHとしては推しです。)
さて、今では定着したミッションを言い換えると
「人の情熱によって駆動する経済を作る」
です。 事業者さんの情熱によって立ち上がり、そのサービスを受けたユーザーさんの情熱が別のユーザーさんに伝播し、どんどん情熱が拡散していくような経済活動をイメージしています。
例えばこちらは「セクササイズ」という独自のブランドを立ち上げたIGさんのダンスレッスンですが、ユーザーさんが友人を巻き込みながらどんどん拡大しています。
義務や権利のためではなく、やってみたい・楽しい・面白い、そんな純粋な情熱によって立ち上がり、加速し、拡大する経済活動を支援したいと思っています。
また、この「情熱」というキーワードは、MOSHのロゴにも表れています。
このロゴは情熱の炎をモチーフにしており、小さな種火が徐々に大きくなっていく姿をイメージしています。情熱と聞くと真っ赤に燃え上がる赤い炎をイメージする方も多いかと思いますが、MOSHのコーポレートカラーはピンク寄りで、冷静に安定して燃え続ける青い炎の要素も含んでいます。
これは私たちが大事にしているポイントで、情熱というと騒がしく熱狂的なものを連想しがちです。しかしながら、例えばだれとも関わらず、一人自室にこもって灯す情熱の炎もあろうと思いますし、それもまた神秘的で価値ある情熱と考えております。
2. ミッションとプロダクト
さて、そのように「情熱」を大事にしたミッションを掲げるMOSHですが、これを実現するためのとても大事な要素がプロダクトです。
MOSHはプロダクトドリブンカンパニーです。
企業ごとにミッション実現のアプローチは異なるかと思いますが、MOSHではそのアプローチの中心にプロダクトを据えています。
プロダクトを介して価値を提供し、ミッションを実現していく会社ですので、プロダクトの開発や運用時には、ミッションを実現するというイメージを持って取り組むことが重要です。
イメージがないままにプロダクトを作っても、地図のない旅のようなもので、ゴールに近づいているのかわかりません。また、売り上げや利益を追求するだけの意思決定を重ねても、正解へと繋げていくことは難しいと考えています。
では、ミッション実現に向けたイメージを持つと言うのは、具体的にどのようなアクションなのでしょうか。私は以下のようなことを考えています。
「(こんなプロダクトを作ればよいという正解はないけれど、)とにかく考え続ける姿勢を持つこと」
ただただ当たり前の話でしかないのですが、この至極当然な前提を共有しておくことはとても大事だと思っています。
必ずうまくいく方法なんて誰も知らないけど、考え続けないと良くもならない、というそれだけの話ですが、忘れがちなので私は常に胸に刻んでいます。
現に私たちは「MOSHのミッション実現に近づくためにはどんなプロダクトであるべきか」という問いへのディスカッションを常に繰り返しています。せっかくなので、私たちが考えていることの一部をご説明させていただければと思います。
3. とびきりフェアなプロダクト
前述のとおり、MOSHのミッションは「情熱がめぐる経済をつくる」ですが、既に情熱がめぐっていれば改めてつくる必要はないわけですから、現状は「情熱がめぐっていない経済」となっているということが、MOSHが認識している市場課題ということになります。
情熱がめぐっていない経済...
実に残念な響きですが、何となくご理解いただけるところもあるのではないでしょうか?
市場背景については籔の記事に詳しく書かれているので割愛しますが、「情熱がめぐっていない経済」を活性化して、情熱をめぐらせるプロダクトが必要で、その方向性を見つけるためには、なぜ情熱がめぐっていないかを考える必要があります。
その中で私たちがたどり着いた1つの方向性はこちらです。
「サービス市場のアンフェア」が情熱を停滞させている大きな要因であり、そこを改善する「とびきりフェア」なプロダクトが必要である。
サービス市場における「とびきりフェアなプロダクト」とは、誰しもがサービスを提供し、パブリッシングし、消費し、感想を伝え、人に広げていく事ができるようなものを意味します。
特権的な立場や技術は必要なく、社会的、経済的に可能な限りハードルが低く、誰にでも広くサービス提供・消費の機会を提供すること、またそのお手伝いをしていくためのプロダクトです。
これは尊いものでありながら、非常に難しい目標です。資本主義市場で活動をする以上、経済合理性を成り立たせることは企業にとって避けて通れない課題ですが、この広くフェアにという考え方と、経済合理性が競合するケースがしばしばあります。
例えば、フィールドセールスを重視したグロース戦略をとった場合、営業コストをペイできる販売単価が必要となり、高単価な顧客(事業者)を優先的に扱ってしまうでしょう。
また、先ほど特権的な技術と書きましたが、操作難易度が高く導入支援のための人員を多数抱えると、そのコストは販売単価に反映されることになります。結果的に導入に何十万もかかるようになってしまってはどんな事業者さんでも使えるフェアなプロダクトではなくなってしまいます。
これらを避けるためには、なるべく人の手を介さずに価値提供ができ、広がり、使われるプロダクトが必要です。プロダクト開発に携わったことがある人であれば、バイラル的に価値が伝わり、少ないサポートで使われるプロダクトを作ることがどれほど難しいかはお分かりいただけると思いますが、MOSHが目指しているのはそういったプロダクトです。
技術的なハードルを無くし、収入の多寡を問わず、誰もが自分らしさ、情熱を直感的に表現できるプロダクトを目指しています。
4. プロダクトの具体
ここまで目指すプロダクトの方針を説明させていただきましたが、一度具体的な形を考えてみます。
例えばサービスの提供に関して。サービスの提供といってもいろいろありますが、試しに、自分のサービスの情報を世の中に公開して、申し込みを受け付けるまでを考えてみることとします。
思考の入り口としては、
- どのようなプロダクトであれば、フェアな形で技術的なハードルが低くなる?
- その提供を経済的に負担なく行うためにはどのようなアプローチが考えられる?
などが考えられます。
これらは現に私たちが日々向き合っている課題ですが、簡単に答えの出るものではありません。現状のMOSHのプロダクトが100%正解だということもないでしょう。
しかしながら、消去法的に方向性を見出すことはできると思います。
例えば、プラットフォームフロントではなくストアフロントな設計、という方向性はその1つです。
プラットフォームフロントとは、Amazonや楽天といったプラットフォームが集客を行い、消費者はプラットフォーム内で検索・購入を行うようなモデルです。
一方、ストアフロントとは、包括するプラットフォームは存在せず、事業者さん1人ひとりが自分のストアページを持ち、独自にパブリッシュしていく形態です。
この大きな違いは消費者と事業者の関係に顕著に現れます。
前者のプラットフォームフロントのなプロダクトの場合、消費者はサービス(商品)提供者である事業者を意識せず、プラットフォーム内のランキングアルゴリズムなどに従ってサービスや商品を購入します。
そのため、ランキングの上位に表示されるかどうかで収益性に大きく影響してきます。また、プラットフォーム自身が集客のために広告費を使う必要がありますので、それを反映して事業者への手数料が高騰しがちです。
一方で、ストアフロントのプロダクトの場合、プロダクトによる集客の仕組みはありませんので、事業者自らがSNS等で発信し、集客を行っていく必要があります。
新規集客のハードルはとても高くなる一方で、プロダクトの事業者さんへのスタンスは均一であり、手数料も低く抑えられる傾向があります。
このような意思決定の積み上げで、プロダクトの方向性は徐々に定まっていきます。
ストアフロント、プラットフォームフロントについてはかなり大きな枠組みの議論ですが、これ以外に、例えば機能や画面単位の議論であっても、いかに市場の負を解決するか、といった観点で議論がなされています。
5. まとめ
MOSHでは、プロダクトチームを中心に全社的な議論を交わしながら、目指すプロダクトの形を模索し続けています。
プロダクト開発に限りませんが、代表や創業者の特権的な意思決定で決まることはほとんどなく、違和感の発信は常に歓迎されますし、それを元に改めて議論することを厭わないカルチャーができてきていると思います。
他社にはないスペシャルな技術で優位性を作っていくプロダクトではなく、そのためMOSHのプロダクト開発プロセスの中で、他では学べない技術が多く学べるといったことはあまりないかもしれません。
また、特段トレンドのキャッチアップが早いわけでもないので、開発チームに参画することで最先端の取り組みの理解が深まったり、特定の技術スタックで名を馳せるようなことも難しいのではないかと思います。
これは、多くのエンジニアの方にとってはもしかすると、物足りない環境に映ることもあるかもしれません。
ですが一方で、MOSHは使われるプロダクト開発に真摯に取り組む環境であると思います。
インタビューで事業者さんのニーズを聞き出し、日々のサポートの中で困りごとを掴み、その解釈と解決の筋道を全体で議論し、その結果として必要な機能(技術)が決まってきます。
実装の技術的難易度は時として高かったり低かったりしますが、MOSHが大事にする尺度は、それが難しいことをやっているかどうかではなく、喜ばれるものになっているか、使われるものになっているのかどうかです。
MOSHのプロダクト開発にとって、これは最も大事なスタンスだと思いますし、そのスタンスが十分に身についた時、その人はきっとどんな組織からでも重宝される人材になっていると思っています。
何より、「喜ばれるもの、使われるものとはどんなものか?」という思考、検討に参加することは何ら特殊な技術を必要とせず、スタンスさえあればどんな職能やポジションの方でもできることです。そのため、MOSHのプロダクト開発は全員参加可能だと思っていますし、オープンであり、誰にとってもフェアな開発体制を目指しています。
事業者さんにとって、ユーザーさんにとってフェアなプロダクトを目指すからこそ、まず開発体制自体がフェアであることから始めようと思います。
たぶん、自分のアイディアをプロダクトに反映させたいとか、今の自分の仕事がどんな影響を持っているのかわからないと思っている人、役に立つもの、喜ばれるものを作りたいと思っている人にはフィットする気がしています。
ポジションや役割は問いませんので、どんな形で合ってもMOSHを気に入っていただいて、ちょっとでも何か改善してやろうかな、と思っていただけたようであれば、お気軽にご連絡いただけますと幸いです。
稚拙な文章で大変心苦しいのですが、もし最後まで読んでいただいた方がいたのであればとてもうれしく思います。
ありがとうございました。またいつの日かどこかで。
P.S.
MOSHの詳しい話を来てみたいという方、ぜひともこちらまでお気軽にご連絡ください。(Facebook messengerが開きます)
転職を検討されている方もそうでない方も、カジュアルにお話できればと思っております。
実際にお会いできたら、なんでもご質問ください。
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