皆さんこんにちは。
ネットでサービスを売れる会社「MOSH」でフロントエンドエンジニアをしています。
村山和生(かずき)です。
MOSHのValuesを紹介する記事の第二弾として、今回はMOSHが新しく策定したコアバリューの1つ Back To the Future (通称: BTF)についてお話したいと思います。
第一弾をまだ見ていない方は、是非ともこちらからご覧いただければと思います。
目次
- 映画のタイトルから想起したValue
- BTFを実践するために
- 1. 未来を語るための雑談を惜しまない
- 2. 事例参照・調査・素早い検証を経て、仮説の質を高める
- 3. 実現したい未来を半分の時間で達成する手段を考える
- BTFができていなかった過去
- みんなでBTFしよう
映画のタイトルから想起したValue
「Back To the Future」
MOSHが掲げる4つのValuesのうちの1つです。
皆さん一度は聞いたことがある言葉ではないでしょうか。
そう、何を隠そうこのバリューの由来は映画『Back to the Future』から来ています。
主人公のマーティ・マクフライと親友の科学者エメット・ブラウン博士(通称:ドク)が、タイムマシンとなる「デロリアン」に乗って、過去・未来にタイムトラベルする物語ですね。
このValueには
① 自分たちの描く理想の未来を常に意識し、
② そこに(いち早く)辿り着くための逆算によって"今"のアクションを決定し、
③ その積み上げによって事業をつくっていこう
という想いを込めています。
スタートアップで事業を始めるということは、自分たちが信じる、新しい未来をつくっていくことです。
MOSHが信じる未来は、"個"を起点として自己実現が豊かになる社会であり、そのために
「情熱がめぐる経済をつくる。」
というMissionを掲げ、事業運営をしています。
その実現のためには、つくりたい未来に明確に紐付いた計画や選択ができているか、を日頃から強く意識しておく必要があります。
当たり前のように聞こえますが、スタートアップでは、リソースの余裕などもなく、”目先のコト”に目を奪われがちなことが多いのが現実です。
だからこそ、このValueを掲げました。
自由にタイムトラベルをするデロリアンのように、自分たちの思考も未来と現在に行き来させることで、信じる未来を手繰り寄せていきます。
BTFを実践するために
上記の想いを込められて策定された「Back To the Future」。
社内では通称、「BTF」として、日常的に使われています。
BTFを実践する為には、日頃どのような行動を取るべきでしょうか。
例えば、MOSHに新しく加わった仲間に対して、「MOSHが信じる未来について逆算していきましょう。」といきなり言われても難しいものです。
そこで、MOSHでは、BTFを実践するために、推奨されるDo'sとして以下を定義しています。
1. 未来を語るための雑談を惜しまない
BTFはまず、目指すべき理想の未来を想像するところから始まります。
未来といっても決して遠い先のことだけではありません。
50年後、10年後が未来であれば、1年後、半年後、1ヶ月後もまた未来です。
大事なのは、僕らのゴール(「情熱がめぐる経済」)から逆算して、数年、数ヶ月、数週間単位で、理想の状態像が明確になっているかです。
カジュアルな雑談はその出発点です。
「こういう状態作りたいよね」」「今はこうだけど、理想を考えるとこんなのあったらいいよね」など、理想に想いを馳せ、カジュアルに語ることからあらゆるアイディアが生まれていきます。
だからこそ、僕らはBTFするための、推奨アクションとして、あえて雑談を惜しまないと定義しています。
日々の何気ない会話から、MOSHが描く未来のヒントはたくさん隠されており、そのヒントをみんなで見つけ、シェアし、日々のアクションプランに移していくというのはMOSHの重要な行動指針です。
2. 事例参照・調査・素早い検証を経て、仮説の質を高める
これは、描いた理想を、現実により近づけていくための行動指針です。
次なる一歩を決めていくための、Do’sとして大事にしています。
私たちは理想の実現のために、自分たちがもつ仮説の質を常に高めていかなくてはいけません。
そのために、さまざまな事例参照や調査をベースにした仮説の組み立て、そしてそれを検証するためのアクションを小さくクイックにやり続けること、絶えず打ち手を出し続けることが非常に重要だと捉えています。
だからこそ、僕らは積極的に他社の事例参照や調査に取り組むし、新たな領域に挑戦するときはさまざまなヒアリングの繰り返しによって、知見を蓄積していきます。
そうして、組み立てた仮説を検証し、軌道修正を繰り返していくことで、1歩ずつ着実にゴールに向かっていこうという宣言がこのDo'sです。
言うは易しですが、この仮説検証のプロセスはかなり地味であることが多かったり、全てがうまくいくとは当然限らずに、忍耐を要するプロセスだったりするでしょう。
それでも、仮説の組み立て→検証のサイクルを、文字通り"積み重ねる"ことができる集団になる必要があり、それがBTFを構成する大事な要素になります。
3. 実現したい未来を半分の時間で達成する手段を考える
スタートアップにとって、とにかく時間は貴重です。
MOSHがベットするパッションエコノミー / クリエイターエコノミーのマーケットは、大手の参入など日に日に盛り上がりを増しています。
だからこそ、僕らは一刻でも早く一歩でも先に進む必要があり、チームの1人ひとりが普段からその意識を持つことが重要です。
推奨するDo'sでは、「"半分"の時間で達成する」と置きました。
そういった意味では、前述した"一歩の積み重ね"だけでなく、大きなジャンプを遂げるための可能性・方法を継続して模索する必要があります。
また、大きなジャンプとはいかないまでも、踏み出す一歩の速さを少しでもあげられるような手段もまた重要です。
その時も一度決めたやり方に固執することなく、クイックな決断によって新たなスタートを素早く切っていくことを実践していきます。
上記の3つが、Back To the Futureを体現するために、推奨されるべきDo'sです。
このDo'sの実践によって、組織のBTFカルチャーが洗練されていきます。
BTFができていなかった過去
未来から逆算した事業・組織運営を指針とした「Back To the Future」というValue。
創業から振り返ると、BTFができていなかったがために起きた失敗がたくさんあると感じています。
少しその苦い経験をお話ししたいと思います。
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僕自身は現在、フロントエンドエンジニアとして主にMOSHのプロダクト面を中心に関わっています。
本当に適切な技術選定はできているか。本当に適切な機能を提供できているか。本当にユーザーさんにとって使いやすい状態になっているか...
リソースが限られている中で、できるだけ早めに実装をすることが目的になってしまい、ある種そのような問いに対しては多少目をつぶって、何よりも早くアップデートされたものを、ユーザーさんに届けてきていました。
もちろん、それも時に大切ではあります。
しかし、それで結果的に全く使われない機能を作ってしまったり、特定の人しか理解できないものになってしまっていたりなど、会話や対話もそこそこに、とりあえず前に進めてしまったことで、たくさんの失敗もありました。
目先の数ヶ月ではなく、より大局観を持ち、MOSHの重要な一部であるプロダクトを通して目指すべき未来をつくっているか。という視点が求められています。
2つほど具体例を出したものの、未来からの逆算なく、アクションをとっていたことで起きた失敗は、創業以降数えきれないほどあります。
これらの失敗があり、その大切さを理解しているからこそ「Back To the Future 」というValueを組織のコアな行動指針に置きました。
みんなでBTFしよう
未来をつくることも、信じることも容易なものではありません。
それはスタートアップの約7割が道半ばで失敗してしまうというデータにも表されています。
MOSHもまた同様に、何もまだ手に入れていません。
うまくいかないことも、大変なことも、これからたくさん起きるでしょう。
しかし、僕らは「情熱がめぐる経済をつくる」というMissionを本気で実現しようとしています。
そのために必要な会社の核として、「Back To The Future」を定義し、"日々、BTFしていきます"。
最後に冒頭で触れた、映画『Back To the Future』(シリーズ3)のドクの言葉を引用したいと思います。
未来から持って帰ってきたメモに書かれていた文字が消えたことについて尋ねられたドクはこう答えます。
「当然だ、人間の未来は白紙だって言う事だ。未来は自分で作るのだ。君たちもいい未来を作れ。」
本当に実現できるかわからない目標値、正解かどうかわからない施策、間違っているかもしれないアイデア、それらすべてにMOSHが実現したい未来のヒントやきっかけが込められているはずです。
未来は白紙であるからこそ、つくれるものです。
1人の力ではなく、全員で向き合い、思考し、未来の解像度を上げて、実現すべき未来に向けて、MOSHは取り組んでいきます。